THEME AND LECTURER

テーマと講師

全6回 2023年10月~2024年3月 18:00~20:00

全6回 労文協リレー講座

テーマと講師

三浦綾子文学と〈労働〉―
さまざまな登場人物への想い

田中 綾
(北海学園大学教授
 /三浦綾子記念文学館長)

日本のダイバーシティ推進に
おける課題と展望

石原 真衣
(北海道大学アイヌ・
 先住民研究センター准教授)

この父ありて ―
二・二六事件と昭和史の中の旭川

梯 久美子
(ノンフィクション作家)

医師で開拓者・関寛斎の
足跡を辿って見えること

竹中 英泰

(旭川大学名誉教授、
 旭川ウェルビーイング・コンソーシアム理事)

サクラマス(ヤマメ)の不思議

前川 光司
(北海道大学名誉教授)

世界一になった小津安二郎 

中澤 千磨夫
(北海道武蔵女子短期大学名誉教授)

全6回 労文協リレー講座

リレー講座
講演内容

1.

三浦綾子文学と〈労働〉―
さまざまな登場人物への想い

田中 綾
(北海学園大学教授/
三浦綾子記念文学館長)

2023.10.18

三浦文学の読みどころの一つに、人物一人ひとりが丁寧に描かれているという点があります。登場人物を調べると、教員、医師、鉄道職員、新聞記者、農業、タコ労働者はじめ、さまざまな職業が描かれていることがわかります。今回は、作家・三浦綾子の人物の描き方、その人物像が呼び起こす感動のポイントに着目して、お話したいと思います。

2.

日本のダイバーシティ推進に
おける課題と展望

石原 真衣
(北海道大学アイヌ・
先住民研究センター准教授)

2023.11.22

先進諸国において日本のジェンダー不平等は悪名高く、また、先住民を取り巻く課題も多い。これらの課題について取り組むことは、周辺化された人びとの暮らしや生を回復するのみならず、社会全体の回復や発展にするものであると考える。本講演では、これらの状況を整理しながら、日本のダイバーシティ推進における課題と展望について考えてみたい。

3.

この父ありて ―
二・二六事件と昭和史の中の旭川

梯 久美子
(ノンフィクション作家)

2023.12.20

二・二六事件で殺害された教育総監・渡辺錠太郎は、かつて旭川第七師団の師団長を務めていた。当時参謀長だった齋藤瀏は、事件の際、叛乱軍の青年将校らを幇助し投獄される。父が惨殺される場に居合わせた渡辺和子。事件後に処刑された青年将校たちの無念を歌に詠み続けた齋藤史。娘たちにとって父はどのような存在だったのか。二組の父娘の運命を通して見えてくる、もうひとつの昭和史。

4.

医師で開拓者・関寛斎の
足跡を辿って見えること

竹中 英泰

(旭川大学名誉教授、
旭川ウェルビーイング・コンソーシアム理事)

2024.1.16

佐倉順天堂で医師、徳島藩医として戊辰戦争で野戦病院長、徳島の町医者30年を経て陸別開拓へ。更別の二宮尊親や徳富蘆花(トルストイ)との交友をへて「仁・愛・人」の積善社構想を掲げるも、札幌農学校出の4男又一の大農場経営方針と対立。有島農場や平民社農場との対比からも考えてみる。

5.

サクラマス(ヤマメ)の不思議

前川 光司
(北海道大学名誉教授)

2024.2.21

サクラマス(サケ科サケ属)は水産上重要魚種であり、北海道では資源維持・増進のためしばしば(恒常的に)放流がなされてきた。最近の研究によって、その放流が逆の効果をもたらす場合があることが報告された。また、サンルダムでは魚道によってその資源維持をはかろうとしているが、いまのところその効果ははっきりしない。自然環境の重要性について述べる。

6.

世界一になった小津安二郎

中澤 千磨夫

(北海道武蔵女子短期大学名誉教授)

2024.3.19

最も権威あるとされる世界映画オールタイムベストテンを選出する英国映画協会は、2012 年監督投票部門で『東京物語』を映画史ナンバーワンの作品と認定しました。没後60 年を経た今なお、小津が評価され続けるのはなぜでしょうか。その60 年の生涯を辿り、小津が追求した独自の映画文法、さらには映画に刻まれた過酷な戦争体験などを検証しながら、世界を魅了し続ける映像詩学に迫ります。