THEME AND LECTURER

テーマと講師

全6回 2024年10月~2025年3月 18:00~20:00

全6回 労文協リレー講座

テーマと講師

「命の嘆願書」が訴えるもの
モンゴル・シベリア抑留の物語

井手 裕彦
(ジャーナリスト/
 元読売新聞大阪本社編集委員)

女医第一号 荻野吟子 ー
フェミニストとして生きる

広瀬 玲子
(北海道情報大学名誉教授)

札幌おもしろ歴史散歩

和田 哲
(街歩き研究家)

いつ学び、いつ活かすか《対談》

桜木 紫乃・岡田 美弥子

(小説家)・(北海道大学教授)

持続的な食料供給にむけた
農業生産と農的社会の構築

荒木 肇
(北海道大学名誉教授)

斎藤茂吉歌集『つゆじも』短歌写生の説について、現代の写実とは

内田 弘
(北海道歌人会会長)

全6回 労文協リレー講座

リレー講座
講演内容

1.

「命の嘆願書」が訴えるもの
モンゴル・シベリア抑留の物語

井手 裕彦
(ジャーナリスト/
元読売新聞大阪本社編集委員)

飢餓、極寒、重労働…。明日の命を知れない極限状況下、同胞の命を守るため身の危険を冒し、強大な抑留国政府に嘆願書を送った三人の日本人がいた。上から下まで理不尽な命令に従うだけだったとされてきた日本人観を覆す「献身」。公文書館の奥深くで埋もれようとしていた嘆願書から知られざる勇気の物語を蘇らせる。

2.

女医第一号 荻野吟子ー
フェミニストとして生きる

広瀬 玲子
(北海道情報大学名誉教授)

荻野吟子は日本で初めて医師国家試験に合格した女医である。吟子が医師になるまでの苦悶、医師となってから社会活動に乗り出し女性の自立・権利拡張のために闘った様子に焦点を当てるとともに、「ジェンダーと医療」の関係を早くから発見し主張していたことを指摘する。北海道へ渡った後半生においてもその姿勢に変わりはなく、吟子は早い時期に生まれたフェミニストだった。

3.

札幌おもしろ歴史散歩

和田 哲
(街歩き研究家)

条と丁目のあれこれ、○回も架け替えた豊平橋、札幌市電と名古屋鉄道の友情、私鉄の街になりそこねた話、今も続く(?)地域間のライバル意識、日本初開催の「世界選手権」がその後のスポーツ史に与えた影響など、誰かに話さずにはいられなくなる歴史雑学の世界を散歩。見慣れた変形交差点や当たり前の風景に、歴史という名のスパイスを加えます。

4.

いつ学び、いつ活かすか
《対談》

桜木 紫乃・岡田 美弥子

(小説家)・(北海道大学教授)

「人って一生かかって学ぶんだな、ということに還暦目前で気づきました。知っていることと、理解することには大きな隔たりがあることにも。ちょっと面白い人生を歩んでいるのではないか、という北大教授・岡田美弥子と小説家・桜木紫乃のふたりが、腹の中、胸の内を語り合います。」

5.

持続的な食料供給にむけた農業生産と農的社会の構築

荒木 肇
(北海道大学名誉教授)

食料品の連続的な値上げは食料供給の在り方を問いかけている。輸入依存の原料や資材、燃料に依存した食品生産体系と広域流通システム。生産現場では担い手不足。米も不足予想。食料生産の知恵と尊厳や、生産者と消費者の距離を縮めた農的社会(環境)の今日的意義を、広まりつつあるアグロエコロジー(持続的なフードシステム)の視点から考察する。

6.

斎藤茂吉歌集『つゆじも』短歌写生の説について、現代の写実とは

内田 弘

(北海道歌人会会長)

今も短歌界に燦然と輝く斎藤茂吉の短歌の魅力と、主張した「短歌写生の説」の意味するものは何なのか。現代に通じる「写実」とは何なのか。近代短歌を革新した正岡子規の説いた「そのままを見て、感じて詠う」ことと「短歌写生の説」とは、どう違うのか。歌集『つゆじも』を通し、具体的に短歌を通して検証し、また最後の歌集となった『つきかげ』の歌を通して、「老い」をどのように詠ったのか、を具体的に鑑賞する。