テーマと講師
リレー講座
講演内容
1.
詩人・谷川俊太郎の七十余年を読む
古川奈央
(俊カフェ店主、編集者・フリーライター)
「まずは自分を空っぽにしてから詩を書き始める」
二十歳で『二十億光年の孤独』を発表して以降、九十二歳で旅立つまでずっと第一線で詩を発表し続けてきた谷川俊太郎。読者の心に深く届く作品を、七十年以上にわたり、どのようにして生み出してきたのか、朗読を交えてお話しします。
講座の帰り道、詩集を買って帰りたくなるようなお話しにできればと思います。
2.
未定
小野有五
(北海道大学名誉教授)
林家いう蔵として「寿限無」を一席、語らしていただいたあと、口承文芸としての落語の意味、落語の語る生き方、哲学、そして、同じく「語り」「朗誦」によって伝えられてきた聖書、詩歌、カムイユカラなどに話を広げて、人間にとっての「語り」の重要性を、すべて落語的に、楽しくお話できたらと思っております、秋の夜長、しばしおつきあいのほどを!
3.
アンパンマンと戦争―やなせたかしの生涯
梯 久美子
(ノンフィクション作家)
「これは正義の戦争だ」と言われ、中国大陸に向かった若き日のやなせたかし。戦場での飢え、弟の戦死、
敗戦―。戦後、本当の正義とは何なのかという懊悩の果てにたどりついたのは、武器を取って敵を打ち負かすのではなく、空腹で死にそうな人に食べ物を差し出すヒーローだった。子供たちに愛されるアンパンマンに隠されたやなせたかしの戦争体験と、そこから生まれた哲学を、生前の本人へのインタビューや、没後に残された資料によって読み解きます。
4.
ミニシアターの歴史と展望、映画文化の記憶を拓く
中島 洋
(映像作家、美術家、シアターキノ代表)
映画が誕生して130年、私たち人間と世界に多大な影響を与えました。その歴史を振り返ると共に、ミニシアターの役割、積み重ねてきた意義を考えます。映画の捉え方にスローシネマがあります。それは私たちの心に深く沈潜し、人生観や世界観、身体への記憶を醸成します。9/25~上映する「ナギダイアリー」の中での言葉「孤独だけど孤立していない」はそのヒントかもしれません。
5.
国内の石油産業史と産業遺産の現状保存課題―石狩、北陸」油田―
山田 大隆
(北海道産業考古学会長、元酪農学園大学教授)
石油資源は先進工業国では燃料、工業製品原料で有用原料ですが、日本では9割以上を中東輸入に依存しています。今日重要なのは、この貴重資源を輸入消費だけで見るのでなく、資源自立的に明治以来の道内外石油生産の歴史と事実、遺構の現状に注目することが肝要です。今回は、石油資源の価値と国内石油生産の歴史と実態を、調査した石狩、北陸(新潟金津)油田および滝川人造石油の遺構から、産業考古学的に考察します。
6.
新宿中村屋に集う群像
北村 巌
(文芸評論家)
二十世紀初年度に創業された新宿中村屋には「芸術を愛し、権力を嫌い、自由を求めた人々」が多く集った。画家・彫刻家・詩人・演劇人・学者・文学者・亡命者・アウトローたちであった。いわばそこは自由なサロンであり、反権力たちの梁山泊でもあった。もちろん誰でも出入りできたのではない。権力になびく番犬や排外主義者はお断りしている。この稀有な聖地・新宿中村屋の物語について語る。

